現場監督派遣の行先企業はだいたい、設備系やサブコンに行くことが多い。
火報屋であるとか、空調屋であるとか、或いは機械式駐車場だとか。
こうした会社の施工管理者は現場監督以外にも、マンションの内覧会や取扱説明会に参加しなければいけないことがある。
私の派遣先企業の社員はこの2つの行事を嫌う人が多かったからか、とりわけ私はよくこの行事に行かせて貰えた。振り返れば、幾ら自分達が行きたくないからと言っても、よく派遣一人にこういう局面へ行かせてくれたと思う。
この2つの行事から私はコールセンターの仕事(特に新人時代)に役立つと思われるスキルに気付いたから、是非お伝え致したい。
無知でも何とかできる魔法の一言
設備業者にとってマンションの内覧会は、自社で取付けた設備の使い方を入居者に伝える会だ。
内覧会で説明するのは"あくまでも入居者に必要な情報"だけを伝えているので、伝える内容はかなり少ない。
それ故に入居者から質問をいただくことも少なく、質問もほぼ想定できる内容のものが多かった。
対して、取扱説明会は、相手が業者だ。
不動産会社や管理会社、メンテナンス業者など、相手が素人でない上に、大勢の前で喋らなければならない。
ハッキリ言って緊張する。
大勢の前で喋る上に、自分の喋ったことが会社としての答えになってしまうからだ。
そして毎度の如く、必ずわからないことを訊かれる。
この取扱説明会、職人としてバリバリ働いてきた社員の人ですら、初めて一人でやると相当緊張するものなのだ。しかし、ある魔法の一言を言えば、殆ど知識がなくても何とかできる。
その魔法の一言とは何か。
「確認します」
これだけ言えれば充分だ。
そして1度に大量の質問を預かっても、この一言だけ言えば、何とかなってしまうのだ。
このスキルを一言で言えばなんと呼ぶか。
開き直りである。
こうした開き直りのスキルは、コールセンターの仕事でも充分に役に立つはずだ。
以前、コールセンターの仕事の挫け易さについて書かせていただいた。
多くの人が研修で脱落してしまうのは、研修についていけなくなるからだ。
ではどうして研修でついていけなくなるのかと言えば、無理矢理全部覚えようとするからだ。
ならどうして無理矢理全部覚えようとしてしまうのかと言えば、開き直りができないからだ。特に真面目な右脳型の人ほど開き直りができなくて挫折する。
だからこそ、「確認します」と一言伝える度胸を身につけてほしい。
取説では「確認してゼネコン様を通して回答致します」と言えば、乗り切れた。
コールセンターの場合は「確認致しますのでお待ちください」と言って、電話を保留する度胸。これをまず身に付けよう。そうすれば、研修~研修明け2か月くらいは何とかできる。開き直りが肝心な商売なのだよ、オペレータという仕事は。
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