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芳文社が誇る日常アニメと言えば『ご注文はうさぎですか?(以下ごちうさ)』だが、この夏は『NEW GAME!』という社畜アニメがブームになっている。
共に芳文社がお得意、5人組の日常系であり、主人公のイメージカラーが青という共通点はある(香風智乃と涼風青葉の髪が共に青系)。
ときにこの2作品、共に面白い作品ではあると思うのだが、向いている方向がまるで逆のように感じた。
一体どうして、こんなにも違いを感じたのか考えてみた。


ごちうさ世界の非現実性

まず『ごちうさ』のハマる要素を考えると、やはり非現実性の要素が強い。
登場人物は日本人なのに、作中の舞台はヨーロッパなのだ。
作中では毛玉・・・いや、ティッピーとリゼを除き、人間離れした特殊能力を発揮するメンバーはいない。
だが、ごちうさ世界と同じような日常を味わいたくばヨーロッパに移住しなければならないのだ。
ごちうさ 街並み
『ごちうさ』のモデル都市はストラスブール。
ドイツ国境付近にあるフランスの街だ。
せめて作中の雰囲気を和風にアレンジされた都市が日本にあれば良いのだが、戦後、乱開発を続けてきた日本には残念ながら、そうした街がただの一つもないことは前回指摘した通りだ。
ヨーロッパのように、街全体として歴史観を大切にした都市が日本には無いからこそ、作中の日本人達があの街で、ごく当たり前の日常を過ごせる羨ましさを抱くのだ。
あの作中の舞台が浦和だったり、それこそ横浜であったとしても、あそこまで売れる作品にはならなかったと思う。
現実に当てはめてしまうと、ヨーロッパへの移住自体が容易ではなく、仮に移住できたとしても、ごちうさクラスの日本人街が現地にあるかは疑問が残る
ジャンルとしては日常系なのに、あの世界観を味わうのは難しいという非日常性を併せ持つのが、ごちうさ人気の秘訣ではないかと思っている。


NEW GAME!の世界は想像しやすい

一方で、NEW GAME!の世界観は、かなり現実味がある。
作中のように女子だらけにするのは難しいにしても、長時間残業、休日出勤、飲み会、社畜精神など、あまりにも身近すぎる。
今まだ就職経験が無い人にとっては、就職後のイメージをしやすくなるし、会社員経験があれば作中の世界観をイメージするのが容易すぎる。
NewGame 高い高卒率
新入社員歓迎会はモチロン参加強制

朝出勤した時に上司が寝間着(?)で寝ていた絶望感、
当たり前のような長時間残業、たまに定時で帰れば上司につき合わされ、飲み会で毎度見かける一気飲みなど、行事の一つ一つが想像しやすい。
「休日出勤すれば、有給が1日増えてお得だぞー♪」
仮に本当に有給が増えるとしても、有給を使う風土はあるのか、この会社。

イーグルジャンプ社がゲーム業界という特殊な業界だからこうなのか、というわけでもなく、これは日本のごく一般的なブラック企業の姿だ。
恐らく日本で働く人の7割はブラック企業で働いていると思うので、NEW GAME!の日常は容易に自分へ当て嵌めやすいため、大人が観てもハマれるアニメになると思う。

『ごちうさ』と『NEW GAME!』は共に日常を描く作品なれど、世界観は全く逆だ。
それにしてもヨーロッパは羨ましいものだ。ヨーロッパは街の景観(歴史観)を大切にするのも当たり前、有給は使い切って当たり前なのだ。
それに比べて日本の常識ときたら、どうしてこうもヨーロッパに比べて水準が低いのか・・・。
それはヨーロッパに住む保登モカや青山翠の方が、文化的な暮らしをしていそうだ。
残念ながら日本にはカフェインファイターが多く、エナドリで死亡者まで出たのだが・・・。