体育会系という害悪

ドイツも日本も第二次世界大戦での敗戦国だと言うのに、財政、原発政策、労働生産性で両国に大きな違いが出てしまった。
もちろん、ある程度違いが出ることそれ自体は、自然なことだ。
両国の国民性の問題として、理屈っぽくて議論が好きなドイツ人と、和を重んじて議論を避ける傾向がある日本人。発展の仕方に差がでるのは必然ではある。

だが、今日の日本が抱えている問題を見たとき、「戦後レジーム」どころか、戦前の問題がかなり引き継がれているように思える。
例えば今日抱えているブラック企業問題。
佐川急便で働いていた時、先輩から言われたことがある。
ここは会社じゃなくて軍隊だから。」
これは佐川急便という会社の労働環境が、いかに劣悪であるかを皮肉った言葉だが、この佐川急便こそが渡邊美樹氏を育てたブラック企業の父である。
では佐川急便という会社がどんな会社か、と言えば、暴力とハラスメントにまみれたバリッバリの体育会系企業としか言いようがない。
そして日本の労働生産性の悪さとブラック企業問題に関していえば、この体育会系を抜きに喋れぬのである。


体育会系の社会はハラスメント社会である

J 自衛隊インターンシッププログラム
上図はかつて話に上がっていた『自衛隊インターシップ』のプログラムだ。
企業側のメリットを見たとき、私はこんなものをメリットと信じる輩の正気を疑うものである。
体育会系人材に果たしてどんなメリットがあると言うのか。強いて言えば、薄給で企業の言うことを聞いてくれる奴隷としてしか役には立たないと申し上げておこう。

小見出しで体育会系の社会はハラスメント社会であると付けた。
残念ながらこれは日本に限ったことではなく、かなり世界共通性を持ったものでありそうだ。
ベッカム氏は10代の頃、先輩達からセクハラを受けていたことを激白しているし、コロンバイン高校銃乱射事件にしても、体育会系生徒からの虐めが原因としてある。
因みに旧日本軍では、内地で意地悪をしてきた上官を戦地で射殺してしまうケースもあったという。

どうも体育会系というのは暴力が大変お好みのようだ。
体育会系の気質がこんなものであるので、体育会系社員が優勢を誇る会社は、ほぼ確実にブラック企業化する
ブラック企業ではハラスメントは日常茶飯事。
セクハラ、パワハラ、アルハラ、マタハラ、etc。
こんなハラスメントに耐えるだけで精いっぱいになっていくため、労働生産性は低下し、結果として残業も多発するようになるだろう。
体育会系人材などより、文系、理系の人材を多く確保すべきであろう。ハラスメントが大好きな体育会系人材など、有害にしかならないのである。

【次ページ:ブラック企業の祖父・旧日本軍