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柏木由紀にみるビジネス・コミュニケーションスキル

AKBのメンバーを知らない私でも、何故か柏木由紀だけは知っている。
コンビニに行けば何かしらの少年誌、青年誌で月一回は見かけるくらいに露出は多い。
そのことに不思議さをAKBファンの同僚に伝えた私は、同僚からこんな質問が帰ってきた。

・「大橋さんがAKBだったらテレビと握手会、どっちの仕事に行きます?」
「ん~? 握手会っすね。」
・「いやうん、確かに大橋さんは合理主義だからそっちの選択でしょうけど、普通はみんなテレビに出たいわけですよ。」
「あー、確かに。」
・「けど柏木由紀は迷わず握手会を選んだんです。握手会での柏木由紀って、"神対応"をすることで有名なんですよ!」
「ああぁ、そりゃ売れるわ。売れるべくして売れてる!」
・「ちなみに塩対応で有名な『ぱるる』っていうのもいるんですけどね?」
「ぱるる? ゆうちょ銀行ですか? いやぁ、私はそういう趣味は無いんで、塩対応なんて勘弁ですねぇ・・・。」


塩対応しかできないコールセンターの哀れさ

接客をする、という意味ではAKBもコールセンターもコミュニケーションスキルは必要としているはずなのだが、残念ながらコールセンターでは殆ど塩対応しかできない。

先のテレビか握手会かで言ったら、コールセンターの人間が目指す目的地はテレビなのだ。
先のファンが言う通り、AKBに所属する大半はテレビに出たいだろう。彼女たちには"知名度と人気を上げたい"という欲求があり、そのための手段にはテレビが効率的に見えるからだ。
コールセンターもこれとほぼ同じで、数字化できるのが効率(CPH)しかない以上、効率ばかり追求してしまう。
効率を上げれば上げるほど、顧客対応は雑になるので、顧客は悶々としたまま電話を切らされることになる。


顧客の課題/要望に応えた柏木由紀

「やっぱね、柏木由紀はどうすればヲタの心を掴めるかわかってるんですよね。」
そう言われた私も納得せざるを得ない。
AKBの顧客は言わば、アイドルヲタクである。
ビジネス・コミュニケーションスキルで最も大切なのは、顧客の課題/要望を捕え、解決する力。カッコつけた横文字で言えば、ソリューションが大切になる。

ではAKBの顧客が抱える課題/要望とは何か。
それはアイドルを実際に『会いたい・触れたい・話したい』である。AKBの持つリソースでは、『握手会』こそ顧客へのソリューション・パフォーマンスなのだ。
テレビに出たい、と言うのはある意味でアイドル側の課題/欲求だ。
受電効率を出してクライアントにパフォーマンスを示したいと言うのは、コールセンター側の事情だ。
どちらも顧客側の課題/要望を見ていない。

『握手会』を選び、丁寧な応対をした柏木由紀は、顧客の課題に対する期待以上の解決を提供したわけだ。
知名度や人気を上げたい場合、テレビ露出に比べると握手会は一見、非効率に見える。
しかし、一見非効率に見える握手会に全力を注いだことこそ、柏木の人気の秘訣に思える。
そんな柏木のビジネス・コミュニケーション力に、ただただ、関心することしかできなかった。