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お話相手として人型ロボットを投入

先日、テレビで更生保護施設にロボットが投入されるというニュースを視た。
刑務所を出た後の自立支援を促すにあたり、コミュニケーション力の向上の観点から、人工知能を搭載したロボットを投入することしたのだという。
当のロボットには、人間の感情を読み取る能力も備わっており、寂しさを紛らわす話し相手としての活躍も期待されている。
果たして人型ロボットは元受刑者を救うことができるのだろうか。
率直に言えば、私は極めて懐疑的に見ている。




社会復帰が難しいのはコミュ力以前の問題

出所後の社会復帰が難しい要素に関しては、コミュニケーション力以前の問題があるのではないかと思っている。
有体に言えば、制度の問題だろう。これは政治的な面の制度というより、民間企業にある制度の問題と言っていい。
コミュニケーション力以前の問題として、元受刑者が乗り越えなければならない大きな壁が、2つある。それは保証人と履歴書の空白期間の壁だ。

まず保証人の壁。
ご存知、日本の賃貸契約では、決まって連帯保証人を必要とする。最悪、連帯保証人は保証会社を立てられるケースは増えてきているが、保証会社を立てるにしても、緊急連絡先は必要になる。
更生保護施設に入っている面々で、身寄りがないケースではほぼアウトなのだ。
更に就業に当たっても然り。就業に当たって身元保証人を求められる会社もあり、保証人を立てられない為に、就業を諦めないといけないケースが出てしまう。

次に履歴書の空白期間。
面接で確実に訊かれることだが、コレも上手くごまかせないと、まず採用されない。まさか、刑務所にいましたなどと率直に言うと、一発で不採用だ。
出所後の人間の社会復帰に人工知能を役立てようという試みは、やはり何かズレているような気がしている。
個人的な想像だが、身寄りがある人は実家へ帰っているだろう。更生保護施設に入っている者の場合、身寄りがないケースが多いのではなかろうか。
更生施設にいる人間に必要なのは人型ロボットをではなく、保証人を立てられる仕組みではないかと思っている。
尤も、そんな仕組みを作れないからこそ、再犯を減らせないのであろうが・・・。