ブログネタ
働くことを考える に参加中!

遊佐恵美はオペレータとして超優秀

真奥貞夫の時給が1,000円なことに対し、遊佐恵美の時給は1,700円(らしい)という高時給。幽霊付き物件で家賃5万円という部屋に住んでいることもあり、月130hも働けば彼女は充分に生活していける待遇は、さすが勇者といったところか。
真奥も責任者としてはとても優秀な人材なのだが、対するエミリアもオペレータとしては超優秀だ。
エンテ・イスラにテレビやパソコンがあるのかわからないが、鈴乃が時代劇を見て日本を勉強したり、半蔵にクラッキングできるだけのパソコンスキルがある辺り、多少の家電製品はあるのかも知れない。
ただ仮にエンテ・イスラに多少の家電製品があると言っても、色々最先端が集まる新宿のような環境に慣れるのには結構時間が掛かる。
XPを使っていた人がWindows8に慣れるのに時間が掛かる人がいるように、まったく異なる文化圏から一人前のオペレータになれるだけでも相当凄いことなのだ。
実際問題として、純粋な日本人でも半年以内に辞める人が多い。その内の結構な人数が研修で脱落する
業種や個々の作業内容にもよるが、コールセンターの研修期間はだいたい1〜2か月。エミリアはケータイのお客様サポートセンターにいるようだから、だいたい最初の1か月が座学、残りがOJTになると思われる。で、彼女自身も研修脱落者を見ているだろう。
つまり、遊佐恵美は日本に来てからたったの2か月で携帯電話の複雑な料金プランを理解しブラインドタッチも習得して電話に出ているということになる。コレがどれだけ優秀なことかを理解するのは、想像に難くない。

チンピラ顔の勇者エミリア
時給に700円もの差がある勇者と魔王。
左が勇者で右が魔王の筈なのに、コレではどちらが勇者かわからない・・・。

遊佐恵美の特異なポジション

組織体として考えたとき、遊佐恵美のポジションはとても特異なポジションだ。外国語を話せることで重宝されており、時給も1,700円と高時給。
正直に羨ましい遊佐の1,700円という時給だが、コレ自体は別に非現実的な給料でもない。
私が大手通信会社のオペレータだったときは、「この会社関係の仕事は給料安いよ・・・」という嘆きをよく聞いていた。ちなみに当時は私も派遣社員で時給1,200円。派遣先の請負会社のアルバイトとほぼ差はなかった。敢えて社名を言うのもなんだが、就業先で最も賃金が高かった請負会社はKDDIエボルバだったように思う。あくまで当時の記憶だが、時給1,300円くらい彼らは貰っていた気がする(といっても彼らはマルチスキルだったため、単一スキルだとやはり時給は同じかも知れない)。
一方、エミリアが在籍しているのはドコモ系の会社(作中ではドコデモ)だ。ドコモ系の会社は他企業と比べて時給は高い傾向がある。
昔、NTTグループの会社に面接へ行ったときは時給1400円〜だったし、NTTデータにしろNTTソルコにしろ、1,500円、1,600円スタートの職場も都心なら珍しくない。
更に保険と通信はプランが複雑なこともあって、他業種より単価が高い傾向がある。だから、エミリアの時給1,700円という数字には格別の違和感は感じない。
むしろ違和感を感じるのは外国語の方だ。エミリアの時給には外国語対応による技能手当が100円〜150円ほど付いていると思うのだが、通常のコールセンターの場合、一介のオペレータが外国語対応することはまずない。
これは何故か?
コールセンターのオペレータに課されている要素に品質の統一化があるからだ。
実際の現場では外国語対応は部署が別部署化されていて、専門チームからの折り返しになることが多い。エミリアもおそらく折り返しで対応していると思うのだが、これは本来、別部隊の役割だということだ。
WiMAXのサポートセンターにいたとき、英語を話せる同僚はいた。旦那さんがイギリス人だから、英語は問題なく話せる人だった。
ではその人が英語対応したことがあるかといえば、答えは皆無だ。例え外国人であろうとも、英語対応は一切禁止だった。
外国人にとても冷たく見える措置だが、コレでも合理には適っている。そもそも会社というのは、『その人が辞めたら仕事が回らない状況は作らない』ものだからだ。はたらく魔王さまに於けるエミリアの立場の特異性はそこにある。作中のドコデモグループの場合、エミリアが辞めると外国人対応ができなくなってしまうからだ。


コールセンターは超・ストレス社会だ。
魔王城への襲撃はストレス発散の一環だったのかも知れない。

遊佐恵美の職場の時給
コールセンターへの仕事を希望なら・・・