毎度不思議に思うのが、なぜWiMAX2PlusにLTEを搭載したのかということだ。
小生の見解では、WiMAX2PlusのプランにLTEを混ぜたのは明らかにマズかったと思っている。
大株主様(KDDI)の意向もあるのか、それとも巷ではLTEが主流だからか。
確かに絶対的な契約数で言えばLTEの方が遥かに上であり、WiMAX事業者が契約を獲得するに於いてLTEを付けたプランはあった方が良いように思える。
LTEの方が電波の周波数も低く、エリア内で繋がりやすいという利点もあるので、WiMAXの弱点を補完してくれている側面は確かにある。

既存WiMAX端末メーカーにとって参入障壁が高すぎる
しかし、WiMAX2を使うユーザーが果たしてLTEを使うのかどうか。
速度制限が無いことをWiMAXの利点として考えているユーザーにとって、果たしてLTEを付けて喜ぶユーザーがどれだけいるかが疑問だ。
もとより、WiMAX2にはLTEを付ける構想が当初は無かったようなのだが、2012年頃にWiMAX2リリースの発表をいていたように思う。最終的に「いや、やっぱりLTEも付けます」と言ったばかりに2013年秋までリリースが遅れたわけだ。
WiMAX2へはまだ切り替えてはいけないの稿ではHWD14の根本的な欠点を述べた。そうは言っても、今現状でWiMAX2Plusの端末を出せるメーカーがあるとしたら、Huaweiくらいしかない。
Huaweiはdocomoで既にLTEのハイブリッド端末を出している実績があるし、WiMAX+3Gを作ったノウハウがある。HuaweiからすればもともとのWiMAXとLTEのモジュールにプラスして、WiMAX2のモジュールを入れれば良かっただけの話であり、参入障壁は低かったのだ。
一方で、これまで質の良いWiMAXルーターを作ってきたNECアクセステクニカ、ネットワークコンサルティング、いち早くWiMAXハイパワーを取り入れたシンセイコーポレーションにとって、ここからLTE搭載のトライブリッド端末にするというのは参入障壁が高い。
NECアクセステクニカは一応LTEルーターを出してはいるものの、WiMAX端末におけるハイブリッド端末を出した実績は無い。シンセイコーポレーションなんて社名で検索しただけで、WiMAXルーターの紹介。ネットワークコンサルティングもほぼ同じような状態だ。
それぞれが置かれている環境・状況の中で、LTEのモジュールを追加するというのは金が掛かりすぎる。それが他メーカーの参入障壁を高くしていると考えられるのだ。

LTEを入れたのは単に万人受けの為?
WiMAXに帯域制限が無いことを最大の魅力として契約する人にとって、LTEは不要以外の何物でもない。
WiMAX2も契約から2年間は帯域制限無しだが、LTEを使った月は7GB(約58,700,000パケット)制限が適用されてしまう。
しかも制限が掛かるのにLTE使用料金は取られてしまう。
確かにLTEはスマホの普及(というよりスマホしか選べない状況)と各社のプロモーション活動により、一般化した通信方式だ。一部のガラケーユーザー以外は万人がLTEを契約しているとみて良いだろう。
しかし、万人受けの為にLTEを入れて果たして意味があったのか。LTEを利用する月で追加料金を取るのなら、のっけからしてLTEを入れる必要は無かったと思える。
3G+WiMAXのサービスでは、各ユーザーができるだけ3Gを使わないようにするのに必死だった。WiMAX2PlusではこれがLTEに替わっただけだ。各ユーザーがLTEを使わないように必死なはずだ。
万人受けの為に入れたと思われるLTEモジュールだが、LTEを入れたことによってWiMAX2の良さは殺されている。UQ WiMAXは真剣に、LTEを外した料金プランと端末の策定が必要不可欠。万人受けの為のWiMAX2Plusでは無くて、本当の意味でWiMAXのファンを増やすためのWiMAX2が不可欠であろう。