グレーゾーンは黒と見立てて動くのが正解

先日、ブログの中において、「5月から実施予定のWiMAX2+の3日で3GB制限は必ずするとは言ってないじゃないですか」という指摘を頂いた。
私は今までWiMAX2+の3日で3GB制限について触れたことはないので、どうして斯様な指摘を頂いたのかはよく解らないが、せっかくだから、この機会に3日で○GBの制限について触れておきたいと思う。
3日で3GBという数字は"ちょっとくらいヘビーなユーザー"でも到達困難な数字なので、正直に今まで言及する気は起きなかったというのが、個人的な気持ちだ。
私自身の月間データ通信量は20~25GBだが、動画のアップロードなどを頻繁に行わない限り、なかなか3日で3GBなど到達できるものではない。そうした実体験もあり、WiMAX2+の3日で3GB制限について言及はしてこなかった。
ただ、「もし3日で3GB使ったら制限はされるのでしょうか」と訊かれたら、私は「される前提で考えて下さい」と回答する。
大抵この手の質問をする人は、"自分に都合の良い情報"を得たいために、こうした質問をしてるのだろう。
価格.COMの305ZT購入ページで、似たような質問をしている人がいた。
「305ZTの3日で1GBの速度制限は実際にされているのでしょうか?
契約に当たって気になります。」という質問であった。
敢えて言えば、この手の情報は"口コミを信用してはならない"ケースと言っていい。

例えば道路は誰のルールで動いているか

ここで一つ考えて欲しいのが、"あるタイミングを境に急に3日で○GBの制限を課された"場合、「今までは制限していなかったじゃないか!」とクレームを付けない自信はあるかということだ。
これは道路交通で考えてみると解りやすい。

まず道路という場所で天下を取っているのは誰か。誰のルールで動くのか。
言わずと知れず警察だ。
道路は警察の天下であり、警察のルールで動いている。

例えば制限速度50Km/hの場所を55Km/hで走ったとしよう。
5Km/hオーバーで捕まるケースは少ないと思うが、果たして捕まら無いとは言い切れるだろうか?
ハッキリ言って捕まえるか黙認するかは警察のサジ加減でしかない。
ノルマに追われていっぱい捕まえないといけない警察官は、2Km/hオーバーでも捕まえてくるかも知れないのだ。
そこで「前の車だって5Km/hオーバーしてたじゃないか!」とクレームをつけたところで、自分が捕まった事実は変わらない。いちいち他の車を止めてる余裕はないから、まずは目の前の人物を加点することに集中する(一般的には減点という人が多いが、違反時の点数は減点ではなく、加点方式だ。これは免許センターの講習で教わる)。

さて、制限速度を少しでもオーバーしたら逮捕される前提で考えるべきか、10km/h以内なら大丈夫と考えるべきか。どちらが安全かなど、言わなくてもわかるだろう。同じことが通信の世界にだって言える。



ネット回線は回線提供社のルールで動いている

WiMAXにしろLTEにしろ、3日で○GBという制限は「することがあります」としか言っていない。
こうしたグレーな表現に関して"白に近い解釈"をしたいのが人間の感情だ。だから口コミなどで、「実際は制限されてないですよ!」なんて表現を聞くと、飛びつきたくなってしまう。

しかし、現実は"グレーゾーンは黒と見立てて動く"方が正しい。
先月まで日で○GBの制限が掛かっていなかったとしても、今月はどうかというのは、通信会社のサジ加減一つなのだ。
昨日の常識が今日も常識である保証などどこにもない。
"今までは良かったこと"が、"今日からダメになる"かも知れない。そのことでクレームをつけたとしても、「お客様のご意見として(記録に)残させていただきます」と言われるだけだ。

ならば、3日で○GBの制限というのは、「される前提」で考えるのが正解だと私は申し上げたい。
"グレーゾーンは黒と見立てる"ことで、"備えができる"ようになる。
インターネット契約をする時によく見る「3日で○GB」の帯域制限は、まず「される前提」で考えて契約していただきたい。されなければラッキー。いつまでもラッキーは続かないから、備えはしておこう。それくらいがちょうどいいのだ。